【産経新聞社】~スイーツ物語~80年続く看板商品「ゴーフル」(2010.1.27 朝刊)

 「ゴーフル」と言えば、神戸風月堂の看板商品。昭和2年の発売で、今も関連商品を含めると同社の売り上げの6割近くを占めています。

 ゴーフルは同社のオリジナル。独自の技術で薄く焼かれた煎餅とクリームのバランスで、時間がたってもパリッと軽やかな食感が特徴。その配合や製法は、発売当時と変わらぬ味を保ち続けています。昭和24年にデパートに初出店、45年の大阪万博をきっかけに販売高は急激に増加しました。

 多様化する嗜好(しこう)に応えるため、直径7.5センチの「プティゴーフル」にご当地土産やプロ野球球団のデザイン缶、「フルーティーゴーフル」と呼ばれるフルーツの香りが楽しめる商品も販売されました。


 現行商品で人気があるのは「紅茶ゴーフル」と「抹茶ゴーフル」。どちらも常務の椎葉房次さんが開発を担当しました。

 椎葉さんは熊本の出身。「高校の修学旅行で訪れた神戸でゴーフルと出会い、『こんなにおいしいお菓子が世の中にあるなんて!?』と驚嘆し入社を決心。以来40年余り神戸風月堂一筋、常務にまで上りつめました」という伝説を私は、長い間多くの方に伝えていました。

 ところが、今回、椎葉さんに改めてうかがうと、同社に勤めていた高校の先輩が求人活動のために帰郷した際、ゴーフルをおみやげに持ち帰ったのが最初の出合いだったそうです(この場を借りて訂正させていただきます)。

 でも、初めてゴーフルを食べたときの鼻に抜ける芳ばしい香りや、ほろほろとした食感は今も覚えているそうです。

 ゴーフルといえば、パッケージの缶に思い出を持つ方も多いはず。という私もビーズ入れとして愛用しています。(関西スイーツ代表/三坂美代子)

写真はゴーフルを手にする椎葉さん

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