【産経新聞社】関西甘味(スイーツ)図鑑(2013.9.28朝刊)

マルクトの「バターケーキ」

苦心の色も味わいに

「マルクトバターケーキ」1個137円、5個入り840円、10個入り1575円

「マルクトバターケーキ」1個137円、5個入り840円、10個入り1575円

マルクトは平成22年、エーデルワイスと高島屋とのコラボレーションにより誕生したブランド。デパ地下にありながら、街のお菓子屋さん感覚でお菓子ひとつからでもセルフサービスで買うことができるカジュアルな店だ。カラフルなパッケージが特徴で、ズラリ並んだ箱が売り場の景色となり店の一部と化していて、フロアのランドマーク的存在にもなっている。

「バターケーキ」はオープン当初からの看板商品だ。ストロベリー、バニラ、抹茶、チョコレート、キャラメルの5つの味がある。ベースとなるのはバニラ。開発者のエーデルワイス商品開発課長の野田朋宏さん(35)は「伝統菓子をマルクトで表現するとどうなるかを意識して、味覚的にも視覚的にも新しい、カラフルでいろいろな味が楽しめるものにしました」と語る。「生地は、しっかりしたバター感を出しながら、重くなりすぎずにふんわりしっとりとして、なお満足感のある食感を目指しました」

決め手となるのが、バターの使い方。通常はバターを立てて生地のベースにするのだが、バター特有の重さを軽減するために、溶かしバターにして生地に加えている。さらに、アーモンドプードルを加えて、生地にふんわり感を与えている。

全ての味のベースとなる「バニラ」は、ほんのり効いた塩味が後味のアクセント。他のフレーバーはパウダーで味付けするため生地に含まれる粉の配合が多くなるが、「バニラ」はしっとりふんわりとした配合で最も柔らかく仕上がっている。

「ストロベリー」は香りがさわやか。「抹茶」はバターの重さや油っぽさを感じさせない仕上がりで、和菓子のようでもある。子供が大好きなカカオ風味の「チョコレート」は濃すぎず薄すぎず。「キャラメル」はキャラメリゼ仕立ての焦がし砂糖の香ばしい香りと、アーモンドに合うキャラメルの味がマッチしている。

「紅茶とあわせるとバターがすっきりとして風味をじっくりと楽しんでいただけます」と野田さん。「もともとは赤はラズベリーでしたが、日本人にポピュラーなイチゴ味にしました」。しかし、イチゴは色が出にくく、開発に1年を要したという。大きな目標に向かい、商品開発にこぎ着けた揺るぎない姿勢に世界パティスリー2009年覇者の貫禄を感じる。

(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)

【もうひとこと】10月2日にリニューアルオープンし、さらに魅力的なスイーツが登場するそうです。

マルクトスイーツデザインマーケット高島屋大阪店
【住  所】大阪市中央区難波5の1の5高島屋大阪店B1
【電  話】06・6632・9773
【営  業】高島屋大阪店の営業日に準じる
【最寄り駅】大阪市営地下鉄なんば駅、南海難波駅など

 

msn産経ニュース 2013.9.28 10:00
産経関西 スイーツ物語 2013.09.28 11:35