【産経新聞社】関西甘味(スイーツ)図鑑(2014.2.1朝刊)

バタークリームカップケーキ   1個250円

バタークリームカップケーキ   1個250円

ジョワリッシュの「バタークリームカップケーキ」

リッチでさっぱりした極上の味

「かわいい~!」と一目見た瞬間に笑顔が広がるのがこのケーキ。洗練されたデザインはシーズンごとに更新される。土台のカップケーキからバタークリームの絞りやトッピングの細かい装飾まで全てが手作業だ。

 ジョワリッシュは新神戸にある“サロン”だ。オーナーの水之江ノリコさん(54)の夫は神戸の有名フレンチレストランのシェフ。「プロの技を間近で見て学んでほしい…」と平成20年、自らのお稽古事の経験を生かし、衣・食・住・美・暮らし、と誰もが興味を持つテーマをジャンルにこだわらず学べる場所を作った。「レッスンが終わった後も楽しくお話ができ、情報交換ができるような居心地の良い場所を作りたい…」。その思いが伝わり、オープン当初から神戸マダムの注目を集め、人気スポットとなっている。

 利用者からサロンで使用する食材や食器などの販売を求める声が大きくなり、23年にはオリジナルグッズを販売するショップをオープン。調味料や食材、食器などに加え、サロンで人気の指導者で東京シュガーアートを主宰する仁井幸子さん(44)がプロデュースするアイシングクッキー、カップケーキも商品として扱うことにした。

 カップケーキの素材はシンプルに粉、卵、牛乳。上に絞るバタークリームの甘さを考慮し、生地は甘さを控えて軽く仕上げられている。重くなりがちなバタークリームのリッチな味わいが、驚くほどサッパリとしたあとくちだ。口溶けが良く、ふんわりとした生地との食感のバランスもちょうど良い。

 小さいサイズだが、かわいらしすぎて食べるのが惜しまれ、端から少しずつフォークを入れる。クリームと生地を同時に食べるのがポイントだ。絞りの形状を保持できるギリギリの硬さのバタークリームは舌の温度でゆっくりと溶け出し、生地の間にスッと入り消えてなくなる。ミルクの懐かしい甘味がじわりと口中を満たすとき、安堵感のある味に心も満たされる。

 豊かな感性によって鮮やかな色彩と繊細な細工が施された極上の味は、上品な大人のかわいらしさにも通じる。パンケーキの次にブームになると注目されているカップケーキ。「ハンドメードの良さを伝えたい…」。水之江さんの夢はカップケーキによって現実味を帯びてきた。

(文と写真 「関西スイーツ」代表・三坂美代子)

<もうひとこと>
髙島屋大阪店で開催中のアムールデュショコラ(7階催会場)にて、この「バタークリームカップケーキ」をはじめ、「関西甘味図鑑」連載で紹介したスイーツの販売をしています。(2月10日まで)

ジョワリッシュ
【住  所】兵庫県神戸市中央区熊内橋通り7の1の13 神戸芸術センター2階
【電  話】078・251・5021
【営  業】10:30~18:30 火曜定休
【最寄り駅】新神戸



msn産経ニュース 2014.2.1 08:00
産経関西 スイーツ物語 2014.2.2 20:08