カファレルの「チョコレートスムージー」
ノックアウト必至の香味
1826年創業のイタリア・トリノの老舗チョコレートブランド、カファレルのチョコレートスムージーは、同社のジャンドゥーヤチョコレートのガナッシュをたっぷりと使用したスムージー。強烈なヘーゼルナッツ香のガツンとパンチの効いた味で、たいていのチョコレート好きやナッツ好きはノックアウト必至だ。
カファレルの看板商品「ジャンドゥーヤ」はヨーロッパ王室御用達で、世界中のグルメから称賛され続けている。
近年のショコラティエブームは、チョコレートを1粒1粒まるで宝石のようにショーケースを飾ることが定番になっているが、同社は昔ながらのホイルで個包装している。本来、チョコレートは香りが逃げやすいため、なるべく空気に触れないようにと個包装を続けているのだ。
意外なことに、カファレルのチョコレートを生ケーキとして展開しているのは日本だけだ。北野本店の赤保和彦シェフ(41)は有名ホテルやレストランシェフなどの経験を経て、昨年11月、カファレルのシェフパティシエに就任した。
スムージーは、夏にもチョコレートを楽しんでほしいとの願いから赤保さんが今年開発した新商品だ。「トリプルトリノ」はトリノを代表する「ビチェリン」「アマレットリキュール」「アマレッティ」の3つの味が詰まっている。
ビチェリンはエスプレッソとチョコレート、生クリームが層をなすドリンクだが、この生クリームの代わりにアマレットリキュール入りのエスプーマ(ホイップ)をたっぷりとしぼっている。さらにマカロン生地の原型とも言われているアマレッティ・ビスコッティのクランチをのせ、食感に楽しみを加えた。
のどから突き上がるナッツの強烈な香ばしい香りが鼻に抜ける。しっかりと空気を含んだエスプーマの脂質と、チョコレートやナッツの脂質がダイナミックにぶつかり合う。味と香りが同時に広がり、ひんやりと心地よい。チョコレートの濃度を下げることなく、しっかり、かつ軽やかに味わえる。
「味のわかる神戸のお客さまにケーキの味を評価していただき、そこからチョコレートへつなげていきたい」と赤保さん。
とろけるようなチョコレートへの甘い熱い思いを、暑い夏のさわやかスイーツに委ねている。
(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
《もうひとこと》9月30日までの限定商品です。「パッシオン・ショック!」のネーミングはドンピシャです。ぜひお試しくださいね。
カファレル 神戸北野本店
【住 所】神戸市中央区山本通3の7の29
【電 話】078・262・7850
【営 業】午前11時~午後7時(年中無休)
【最寄り駅】JR神戸線元町駅
2014.6.21