ドゥヴォイスの「生チョコサンド」
カカオぎゅっ、スポンジふわっ…
舌妙な溶け具合
サンドされた生チョコクリームの食感の変化が、最大のポイント。生チョコクリームは生クリームとチョコレートを混ぜ合わせ、しっかりと泡立てて空気をたっぷりと含ませている。
その結果、最初はパリッと歯ごたえがあり、その後に口中でとろりとクリーミーに溶ける。チョコレートはスイスのカルマ社のミルクチョコレートが主だが、甘味やくどさを抑えるために、同社のスイートチョコレートもオリジナルブレンドしている。これとコアントロー(フランス産リキュールの一種)を加えることで、スキッとした後口になる。
オーナーシェフの小林雅則さん(49)は滋賀県出身。調理の専門学校を卒業後、フレンチレストランに勤務したが、そこで出会ったスイーツのおいしさに心酔し、パティシエの道を選んだ。
レストランのデザート担当を経て、神戸市内の名店レーブドゥシェフで修業した後、平成15年、滋賀県草津市に店を構えた。開業地は高校時代の通学で土地勘があり、交通量のある道路にも接し、立地条件は良かった。しかし、目の前の全国チェーン洋菓子店との競合を危惧。かつて修行したレーブドゥシェフの経営者に相談すると「関係あらへん」と言われた。
趣の全く異なる2店が隣接したことで、客はその日の気分やニーズに合わせて店を選び、商品を選んでくれる。共存共栄が成立した。
カカオの香りや豊かなおいしさが凝縮された生チョコクリームをサンドするのは、ふわっと焼き上げられたやわらいチョコスポンジだ。牛乳を温めてココアを溶き、卵、砂糖を泡立てて合わせる。ココアは少し赤みを帯び、ココア独特のむせるようなくどさがなく、すっきりやさしい味わい。上質なココアを使うことで、スポンジにしっかりとカカオの風味がのり、クリームと合わせても重さを感じさせない。
香り高いチョコスポンジにたっぷりのチョコクリームが交錯。一体となって口中で溶け、カカオの香りがしっかりと口を満たす。冷えたスポンジのピタッとした舌触りが心地よい。そこからゆっくりとチョコクリームに舌をのばし、トロリンとチョコクリームと一緒に溶けるまでの時間差が何とも心地よい。
(文と写真 「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
ドゥヴォイス
【住 所】滋賀県草津市追分南2の1の5
【電 話】077・564・7539
【営 業】午前10時~午後8時(水曜定休)
【最寄り駅】JR南草津駅
《もうひとこと》発売当初は、クリスマスケーキを予約した方へのプレゼントとしてPRしたそうです。最近は、すっかり定番の人気商品に成長しました。
msn産経ニュース 2014.11.29
産経関西 スイーツ物語 2014.11.29
2014.12.1