パティスリー ミエルの「温・de・ショコラ」
一石二鳥で癒やされる
そのままでも、温めてもおいしいロールケーキで、別名「一石二鳥巻き」。「パティスリー ミエル」(兵庫県宝塚市)の定番人気商品だ。
オーナーシェフの本田政博さん(37)は平成14年、地元に店を構えた。子育て世代が多い住宅地に位置するため、フルーツをトッピングしたケーキを中心に30種類ほど、ショーケースを華やかに彩る。焼き菓子も同じ程度ある。楽しいラッピングギフトや店内のかわいい装飾など、一歩足を踏み入れれば心躍る空間が広がる。
本田さんは元々カフェを経営したかったが、「まずはケーキの勉強から」と入ったパティスリーで修業中、すっかりお菓子の虜になり、そのままパティシエを目指して奮闘努力した。
パティシエの中には、人と向き合うよりお菓子と向き合う方が好きなタイプをよく見かけるが、本田さんには当てはまらない。人もお菓子も大好きな、オーナーシェフにぴったりのキャラクターで、地元で人気の店に育て上げた。
「温・de・ショコラ」は3年前、冬場の温かいスイーツとして開発した。人気のロールケーキとフォンダン・オ・ショコラ(中からチョコレートが溶けだすフランスのケーキ)を組み合わせており、電子レンジで温めると、中のクリームがトロリと溶けだす。
ココアをたっぷりと練りこんだスポンジは、プレーンのロールケーキの生地より低温でじっくりと焼き、しっとり感を保ちつつも、ふんわりと仕上げている。生クリームとスイートチョコレートを合わせたガナッシュクリームには、ベルギー産の高級クーベルチュールチョコレートを使用。香りが高く、口どけもいい。
チョコレート風味のスポンジは甘さ控えめで、ガナッシュクリームを引き立てる。加熱して溶けた熱々のガナッシュクリームに対し、スポンジはほのかに温まる程度だ。これを一緒に口に入れると、スポンジにチョコレートが吸い込まれ、やけどすることなく、ちょうど良い状態で味わえる。温かいチョコレートの芳醇な甘い香りが体の中に染みわたり、心までほっこりする。
(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
《もうひとこと》温かい部屋で冷たいままいただいてもよし、2~3センチにカットして温め、とろけるチョコレートを堪能するもよし、まさに一石二鳥のロールケーキです。
パティスリー ミエル
【住 所】兵庫県宝塚市安倉中3の11の12
【電 話】0797・87・5426
【営 業】午前10時~午後8時(不定休)
【最寄り駅】JR・阪急宝塚駅からバス、安倉小学校前バス停下車
msn産経ニュース 2014.12.14
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