パティスリーフリアンの
「シュートリュフ」
チョコ、シュー、クリームの三重奏…
食感の変化が絶妙
「シュートリュフ」は年間12万個の販売実績を誇るパティスリーフリアン(大阪府寝屋川市)のヒット商品だ。シュークリームにチョコレートをコーティングしただけのシンプルな構成だが、実は綿密な計算が施されている。
今から15年ほど前、シュークリームがチョコレートのボウルの中に偶然、転がり落ちた。「これもありやん!」。オーナーシェフの松島俊哉さん(54)はひらめいた。
フランス語で「驚き」を意味する「シュープリーズ」と名付け、さっそく商品化したが、残念なことに最初は全く売れなかった。
「これはネーミングに問題があるのでは…」とスタッフに相談したところ、ココアがいっぱい入ったパッドの上にチョコがけしたシュークリームを並べる様がトリュフチョコレートの製造過程にそっくりだったことで「シュートリュフ」と改名することに…。
これが功を奏したのか、売り上げは順調に伸び、今や店の看板商品に成長した。
誰もが想像できるシュークリームのフォルムは、何よりも代えがたい安心材料だ。パリッとコーティングされたチョコレートの下に、サクッとした食感のシュー皮があらわれる。中にはふわっと口どけの良いチョコレートクリームがぎっしりと詰まっている。
食感の変化とチョコレートのハーモニーは想像以上の完成度だ。シュークリームでも、チョコレートムースでも、シューアイスでもない、オリジナルのスイーツが完成した。
サクッとしたシュー生地には、牛乳が配合されている。これでリッチな風味がつき、チョコレート味に負けない生地となっている。
中に詰めるクリームはチョコレートとバターの力で固めている。コーティングのチョコレートは、何種類もオリジナルブレンドして試行錯誤を重ね、現在のビターチョコレートをメーンとした配合になった。苦すぎず、甘すぎず…。松島さんのベストな感性で配合されている。
昨年、松島さんは大阪府洋菓子協会会長に就任し、大阪の洋菓子店の顔となった。
「今年は父が創業して50周年の記念の年」と松島さん。活動の場は全国に広がり、多忙を極める毎日だが、「創業の地で地元のお客さんに愛され続ける街のケーキ屋でありたい」と願っている。
(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
《もうひとこと》
冷凍でも冷蔵でもおいしくいただけます。2月5日から、大阪府枚方市の京阪百貨店ひらかた店でも販売されます。
パティスリーフリアン
【住 所】大阪府寝屋川市池田南町1の4
【電 話】072・826・5733
【営 業】午前9時~午後8時半(不定休)
【最寄り駅】京阪寝屋川市駅
msn産経ニュース 2015.1.24
産経関西 スイーツ物語 2015.1.24
2015.1.27/p>