ワッフラの「ワッフルクッキー」
フランス人シェフが焼く
“庶民派”「クッキーワッフル」
フランス人パティシエが、目の前でワッフルを焼いて販売する。オーナーシェフのマーク・グレイスさん(37)は、高級フランス菓子店ラデュレやピエール・エルメ・パリを経て、平成20年、神戸のマカロン専門店グラモウディーズの立ち上げのシェフとしても有名だ。
2年前に独立し、兵庫県芦屋市に旧知のパティシエ、常喜(じょうき)厚生さん(32)とともにワッフルの店を開業。若い女性に人気のおしゃれなマカロンとは対照的ともいえる庶民派のワッフルへの方向転換は、洋菓子業界のセンセーショナルなニュースだった。
店の「ワッフル」は、ブリオッシュ生地をふんわりと焼き上げたもの。北海道産の強力粉、薄力粉に国産の米粉をブレンドし、これに全卵、無塩バターと2種類のバニラを合わせて生地にする。卵やバターの量が通常の3倍ぐらい多い、オリジナルのリッチな配合だ。「この配合の開発に2年を要しました」と常喜さん。
「ワッフルクッキー」は、グレイスさんが日本のせんべいにインスピレーションを受けて思いついた。2日しか日持ちしない通常の「ワッフル」をギフト用にアレンジしたという。
特製のワッフル焼成機でワッフル生地を2分間手焼きし、フルール・ド・セル(フランスの大粒天日塩)を振り、さらに30秒ほど焼き上げ。サクッと心地よい食感を楽しめる。
生イーストで発酵させた生地は、焼成するとぷっくりと膨れる。これをデコボコのワッフル板で挟むと、中までしっかりと火が通る仕組みだ。
焼きあがりの形状がハニカム(蜂の巣)に似ていることから、フランス語でワッフルと呼ばれるようになった。店名の「ワッフラ」も同じ意味がある。
ワッフルクッキーは、ストロベリーとアーモンド、チョコレート、バニラチョコレートの4つの味のバリエーションが楽しめる。
米粉を使用することで生地に甘味があるため、砂糖の量は抑えている。あっさり味で、発酵生地のさわやかな風味が生きている。
袋を開けると、焼きたての香ばしい風味がふわ~っと立ち上る。バニラの香りの変化と甘い塩味のアクセントに翻弄される。
「子供の頃からの記憶にあるフランスの故郷のお菓子を日本に伝えたい。日本の素材を使い、子供からお年寄りまで喜んでいただけるように楽しみながらアレンジして、味を追求していきたい」とグレイスさん。
グレイスさんが願うのは「be smiley」。やはりお菓子には、笑顔がよく似合う。
(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
≪もうひとこと≫
「関西甘味図鑑」の連載は今回で最後となります。
2012年の1月28日の「大阪甘味図鑑」スタートより、足かけ3年以上もの長きにわたりご愛読頂きありがとうございました。ウェーブ産経のスイーツ企画は継続します。
またお目にかかれる日を楽しみにしております。
ワッフラ
【住 所】兵庫県芦屋市西山町1の9
【電 話】0797・34・5095
【営 業】午前10時~午後8時
【最寄り駅】阪急神戸線芦屋川駅
msn産経ニュース 2015.3.21
産経関西 スイーツ物語 2015.3.21
2015.3.23.