【産経新聞社】~スイーツ物語~有名パティシエを講師に (2011.2.3 夕刊)

未来のパティシエを育てる製菓学校。最近では、一線で活躍中の有名パティシエを講師に招き、学生たちにプロの技やセンスを学んでもらおう、という学校が増えています。

大阪調理製菓専門学校(大阪府泉大津市)もそのひとつ。昨年、人気パティスリー「T.YOKOGAWA」(大阪府和泉市)のチーフパティシエ、蒲池昭寛さんが専任講師として就任しました。コンテストで入賞経験もある実力派パティシエの授業は評判です。
蒲池さんが講師の仕事を引き受けたのは、同校の校長で、「T.YOKOGAWA」オーナーシェフでもある横川哲也さんの一言。「人に教えることで自分自身も成長する。お前に欠けていることを補えるチャンスだ」。素直に受け止め教壇に立つ決意をしました。
教えるという初めての体験では、とまどうことばかり。学生との間には相当の年齢差があり、意思疎通を図ることができず悩んだこともありました。しかし、年齢の違いは経験の違いだということに気が付いたとき、「お菓子作りの技術だけでなく、社会に出たときの振る舞いも含めて、一人の人間として育てていこう」と決意。学生の目線でものを見て、いっしょに考えながら、「おいしいものとは何か」を教えています。もともと人を喜ばせたくて入ったパティシエの世界。指導者となった今も、多くの人を喜ばせる素晴らしいパティシエを一人でも多く世に出したいと願っています。
同校ではカフェの運営実習ができる「サロン・ド・アプランドル」を併設、一般のお客さまに学生たちの作ったスイーツを食べていただく機会を設けています。価格は食べた後にお客さまが決めるユニークなシステム。次回は2月12日に開催し、蒲池さんと学生さんも参加予定です。ぜひ、頑張ってほしいですね。(関西スイーツ代表/三坂美代子)
【写真説明】未来のパティシエを育てる蒲池さん