ハンブルグの「ブレッツェル」
=「サクッ」たまらない歯応え=
「ブレッツェル」はドイツのパンの一種で、アメリカでは「プレッツェル」と呼ばれる。同名のスナック菓子はアメリカ生まれの大ヒット商品で、ブッシュ前大統領がフットボールをテレビで観戦中にのどを詰まらせたことでも有名だ。
大阪・十三の人気店「ハンブルグ」のオーナーシェフ、小西久夫さん(61)は菓子の本場、スイスの名門製菓学校で学んだ。本物を知り尽くしたシェフが、そ の伝統的な形状をモチーフにして、ドイツともアメリカとも違う、日本人の食性や嗜好(しこう)に合わせて編み出したのが同店の「ブレッツェル」。しかし、 その菓子作りは「基本に忠実に作ることを何よりも大切にしている」と小西さんは語る。
お菓子をつくる際、季節や天気によって微妙に変化する環境を常に緻密に計算し、粉やバターなどの材料の種類、配合を調節する。出来上がった生地の状態が良いと、焼き上がりは見た目に美しく、食感のよいお菓子となる。この生地へのこだわりこそが、お菓子作りの基本である。
サクッ、パリッ、ポリッ…。特筆すべきはその歯応えだ。重ねられた生地は、どちらかがもう少し薄くても厚くても成しえない最良のバランスで、食べ始めると止まらない。
バターをたっぷり使った生地と、表面に施す砂糖のアイシングが一緒になると、甘味が控えめだった生地にアイシングがゆっくりと浸透し、いつしか懐かしい練乳の味に変化する。少し焦げた小麦粉の風味は私たちを子供の頃に引き戻すかのようだ。
(文と写真 「関西スイーツ」代表・三坂美代子)
【もうひとこと】
味は4種類。「チーズ」は甘いものがちょっと苦手な方にもお勧め。お酒のお供にも合いそうです。
【住 所】大阪市淀川区十三本町1の12の15
【電 話】06・6308・5570
【営 業】午前10時?午後9時(定休元日のみ)
【最寄り駅】阪急十三駅