【産経新聞社】大阪甘味(スイーツ)図鑑(2012.8.11朝刊)

プチプランスの「フルーティ・ジュレ」

蜂蜜が生み出す自然な甘味
夏のスイーツの定番といえば「ゼリー」。フルーツと水分のシンプルな材料を固めてできるため、一見簡単そうだが、実は奥が深い。また、パッケージによって大きくイメージが変わるため、大手メーカーは斬新なデザインのパッケージを次々に導入している。一方、地元密着型の洋菓子店などではパッケージにコストをかけるよりも、材料にこだわりつつリーズナブルな価格で販売することを優先させる傾向にある。

プチプランスは昭和33年の創業で、12年前から自社製のフルーツゼリーを販売している。以前はスタンドパックと呼ばれる袋タイプのパッケージに詰めていたが、状態によっては中身が崩れるなどの欠点があったため、今年、硬い樹脂の容器に替えたところ、売り上げがそれまでの2倍近くに増えたという。見栄えを良くして、ギフトとしての価値を高めることに成功した好例といえる。

「できる限り国産素材にこだわり、搾りたての果汁をそのままゼリーに仕上げました」と、2代目の浅田美明さん(51)。ゼリーの味付けのベースとなるのが「百花蜜」と呼ばれる千早赤阪村産の蜂蜜だ。フルーツ王国・和歌山の北東に位置する好環境の中で、レンゲや梅、菜の花などさまざまな花から集められた自然の恵みは、ゼリーに優しい甘味を与え、フルーツの香りを引き立てている。

砂糖を控え、蜂蜜を使うことでコクと深みが出て、なおかつ自然な甘味になる。フルーツと、フルーツの花から採れた蜂蜜は当然ながら相性が良い。口に含むと、フルーツそのものの味わいと、ゼリーの控えめな甘味が広がる。ゼリーの甘味は潮が引くように一瞬で去り、フルーツの香味が余韻として残るのである。

かつてのゼリーは硬く仕上げられ、ゴリゴリした歯ざわりだったため、好き嫌いがはっきりと分かれるスイーツだった。しかし、現在のゼリーは固まるかどうかのギリギリに仕上げられている。それゆえに使用する水にもこだわっているのだという。フルーツもコンポート(シロップ煮)することで味を凝縮させ、素材そのままよりもおいしく仕上げている。

「フルーティ・ジュレ」は1個368円、箱入りは6個入り2468円、10個入り3990円

(文と写真「関西スイーツ」代表・三坂美代子)

【もうひとこと】
一番のお気に入りは「もも」。完熟白桃のうまみが完璧に閉じ込められ、スルスルッと飲むようにまるごと桃が楽しめます。

【住  所】<茨木春日店>茨木市春日1の16の53
【電  話】0120・20・7370
【営  業】午前9時~午後9時(第3水曜定休)
【最寄り駅】JR茨木駅
産経関西 スイーツ物語 2012.8.12
msn産経ニュース 2012.8.11.8:00